農地を転用して「家を建てる」「店舗や工場にする」といった目的がある場合、農地法の許可だけでなく「都市計画法」の許可が必要になるケースが多々あります。
特に、市街化を抑制すべきエリアである「市街化調整区域」内の農地を転用して建物を建築する場合、非常に厳格な審査をクリアしなければなりません。
ここでは、農地転用に伴って必要となる代表的な3つの都市計画法の許可(第29条・42条・43条)について解説します。
1. 第29条の許可(開発許可)
主として建物の建築、または特定工作物の建設の用に供する目的で「土地の区画形質の変更」を行う場合に必要となる許可です。
- 対象となる主なケース:
・市街化調整区域内の農地に、道路を作ったり盛土・切土などの造成工事(区画形質の変更)を行って、新しく家や店舗を建てる場合
・市街化区域であっても、一定規模(原則1,000㎡※自治体による)以上の面積の農地を造成して宅地分譲などを行う場合 - ポイント:
単に平坦な土地に建物を建てるだけでなく、農地を宅地として利用できるように「物理的な造成工事」や「権利・区画の変更」を伴う大掛かりな事業(開発行為)を行う際に必要となる、難易度の高い手続きです。
2. 第42条の許可(用途変更等の許可)
過去に「第29条の開発許可を受けて造成された開発区域内」において、当初許可された予定建築物とは異なる用途の建物を新築・改築したり、用途を変更したりする際に必要となる許可です。
- 対象となる主なケース:
・過去に「専用住宅(マイホーム)」として開発許可を受けた土地を、第三者が買い取って「店舗」や「アパート」に建て替える場合
・「特定の事業所」として許可された建物を、別の業種の店舗へと用途変更する場合 - ポイント:
開発許可を受けた土地には、「許可された用途の建物しか建てられない(使えない)」という厳しい制限がかかっています。所有者の変更や事業計画の見直し等で別の使い方をしたい場合には、改めて行政から第42条の許可を得る必要があります。
3. 第43条の許可(建築許可)
「市街化調整区域内」において、開発行為(第29条に該当するような土地の区画形質の変更)を伴わずに、新たに建物を新築・改築したり、用途を変更したりする際に必要となる許可です。
- 対象となる主なケース:
・すでに宅地として平坦に整っている土地(区画形質の変更が不要な土地)に、新しく家を建てる場合
・特例で許可不要で建てられた「農家住宅」を、農家ではない一般の方向けの「一般住宅」として用途変更(売却・賃貸など)する場合 - ポイント:
「大掛かりな造成工事(開発)はしないから自由だろう」と思われがちですが、市街化調整区域である以上、建物を建てる行為や使い方を変える行為そのものが厳しく制限されています。そのため、開発許可とは別に「建築許可」という形でお墨付きをもらう必要があります。
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「自分の農地は開発行為に該当するのか」「市街化調整区域で許可が下りる見込みはあるのか」——これらを一般の方が正確に判断するのは極めて困難です。事前調査や図面の作成、役所との度重なる事前協議など、膨大な手間と専門知識が要求されます。
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